たとえば「新年快楽(あけましておめでとう)」とか「中秋快楽(中秋おめでとう)」みたいに、「快楽=ハッピー」が定番ですよね。
でも、端午節だけはちょっと違うんです。
この日には「端午快楽」じゃなくて、「端午安康(健康で安らかな端午を)」って言うことが多いんですよ。
どうしてかというと――その理由は、端午節の由来にあります。
端午節って、あの屈原(くつげん)という詩人を偲ぶ日なんですね。
彼は国を深く愛するあまり、最後には悲しみの中で川に身を投げたと伝えられています。
だからこの日は、楽しく過ごすというよりも、「想いを馳せる日」「静かに祈る日」という側面が強いんです。
しかも、昔から端午節のある5月は「病気や災いが起こりやすい季節」だとされていて、薬草を飾ったり、ちまきを作ったりして、厄払いをする風習があったんですよ。
つまり、人々は「楽しい」より「元気でいてほしい」「無事に過ごしてほしい」って気持ちを込めて、この日を祝っていたわけです。
だから、「快楽(ハッピー)」よりも「安康(健康で安らか)」という言葉が選ばれるようになったんですね。
何気なく使われている「端午安康」って言葉には、
「どうか元気でね」「平和に過ごしてね」っていう、すごく温かい願いが詰まっているんです。
季節の変わり目、体調を崩しやすい時期でもあります。
みなさんも、どうぞお体に気をつけて――
端午安康(たんごあんこう)!
心穏やかに、そして健やかに過ごせますように。
コメント